うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

私が精神を病むまで その3

私は死ぬ気で勉強した。人と話す術を。途方もない自己分析が始まったのである。 
 そして、すべての元凶は行動が遅すぎるということだと気づく。私のような本を大量に読む人間は、物事をじっくり考えすぎる。結果として、何事もやるのが遅い。例えば、前回述べた名刺交換にしても、単純に横に置いてしまって、会話の準備に備える方が全体的には印象がよかったはずだ。思えば、私は周囲の空気を理解はするものの、そこからの動きが本当に遅い。遅いので、結局何もせずに終わってしまうのである。
 私は会話の方法について準備することにした。レスポンスの遅さ以前に、世間一般の雑談知識に乏しかったのである。私は政治と文学とアニメ漫画ゲームの話しかできなかった。
 目星はついていた。先輩から社長は車とゴルフに詳しい人しかいない、と教えられたからである。故に、まず車の知識を必死に詰め込んだ。いくつも見ているうちに、有名な車種や、高級車の特徴を浅く広く理解した。
 また、三日間の引継ぎで先輩から盗んだこともある。当時は横に座りながら、レスポンス早いなぁ、頭の回転早いなぁと思い続ける毎日だった。そうして観察しているうちに、あの先輩でも答えに窮している時が多々あることに気づく。だが、微妙な空気になっていない。詳しく観察すると、先輩は絶妙なタイミングで、コーヒーを飲む途中である振りをしたり、笑ったりして時間稼ぎをしていたのである。使いこなすには難しい技ではあったが、非常用装置として用意しておくことにした。
 最後に会話のスタイルについて。レスポンスが遅い私は、単純に会話についていくだけでも精一杯である。つまり、先輩のように上手い返しで難なくやっていくスタイルは不可能に近い。そこで私は考えた。一方的に話せる面白い小話を毎日用意し、それに対してのレスポンスに都度返し、会話の主導権をこちらが握るという作戦である。私にとって、こちらの方が容易であった。ニコ生で培った話題を生み出す力と読書で培った話を盛る力があったからだ。
 以上の三つの作戦で私は戦うことにしたのである。
 
 書きすぎて全く先に進まねえな