うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

「雪国」読書感想文

どうも川端康成の「雪国」を読んだから感想書くぞ
こういう感性に語りかける作品は要約すると全く意味がないけども、一応すると、家庭持ちの主人公が雪国にいって、そこで芸者の女とつかず離れずの微妙な距離感で恋をするという話。文章が綺麗だというのがよくわかった。ただ、冒頭の言葉が忘れられないとかそういう奴はちょっと頭おかしいんじゃないかなって思う。

電車の外の雪景色と、その鏡に映る病人を看病する女の子の頬の赤さに感動する。
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芸者、駒子に会う。
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電車の女の子は葉子という名前で、駒子の妹で、病人は駒子の許婚だと知らされる
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許婚の話は嘘だとわかる。主人公が東京に帰る。駒子はその別れを惜しんで待っていたが、そのせいで病人の死に目に会えなくなる。
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主人公がまた雪国にやってくる。今度は毎日駒子が家にやってきて、それを期待する自分がいることに気づき、そろそろ二人の関係はやばいという感じになってくる。
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火事が起きて、葉子が死ぬ
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おしまい

と、いう感じ。あまりに二人の関係がふわふわしすぎて妙な雰囲気に包まれた作品だった。不倫という許されない関係にまでは至らないのだが、愛し合っているという絶妙な距離感がずっと続いている。
最初と最後は意味ありげに葉子が中心となる。また、最初と最後で白と赤の対比がなされており、葉子の存在がまた際立っている。そんな葉子は私を東京に連れて行ってと主人公に言ったりと、駒子の本音の代弁者としても存在している気がする。

まぁとにかくこの微妙な距離感の結末をあえて火事でぶった切って終わらせることで、最後までたったひとつの出来事で切れてしまいそうな繊細な関係のまま自然に小説を終わらせていて、読んだ後、綺麗だったという感想を持つ人が多いのもよくわかる。そして、今回もそうだけど、あまりに普通の会話の中にちょっとした恋愛要素を散りばめていく様子が非常にうまいし、風景の描写を詳しく描くことで、そっちに注意をひきつけて、繊細な関係が深くなるのを阻止しているように見えた。

じゃあな。