うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

読書感想文 J・D・サリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」

どうもこんばんは、僕です。
今回はJ・D・サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」の読書感想文です。
ジョン・レノンを殺した犯人が、警察が捕まえにくるまで読んでいたことで有名なノーベル文学賞の本です。

はい、要約。
主人公はホールデン・コールフィールド君。
英語の成績は抜群、でもほかの成績はボロボロの少年で、世の中すべてのことが気に入らない厨二病少年。まるで僕みたい。
スタートからすごいんですこの話。退学になるんです。それで、歴史の先生に呼び出されて説教されるところから始まります。しったこっちゃねえぜと、耳を貸さないホールデン君。
家に帰るのは水曜日なんですが、その前に学校を出て旅に出ます。プチ家出ですね。
そのあと、まぁいろいろあってホテヘルにぼったくられて、ぼこぼこにされて、世の中の大変さを学ぶわけなんです。
居酒屋いって、ガールフレンドと劇をみたり云々しますが、全部斜めに見て批判しまくるホールデン君。とにかく世の中が気に入らないんです。
気に入らねえ・・・と言いながら、実家に帰って妹と話します。
その時、妹に「お兄ちゃんは何がしたいの?」と聞かれます。
そこで、ホールデン君はいいます。

「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしているとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない――誰もって大人はだよ――僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ――つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっかから、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ」


そのあとやっぱ家にかえりますねってのがこの話。

この小説がすごいのは、まず厨二病の純粋な心がよく出てる。世の中の人間は厨二病とかいって、世の中を斜めに見てる人間を叩きますけどね、斜めに見るってのは純粋を極限まで求めていくっていう作業なんですよ。若さゆえの純粋の無限性への挑戦なんですよ。
大人ってのは、ある程度諦めて、何かを中途半端に演じて生きていくんですけど、このホールデン君はまだ若いから、それが許せないんですよ。
だから、彼の夢はライ麦畑で子どもたちと戯れるなんていう純粋さの象徴のようなものになるんです。
そんな、青年ゆえの世界に対する純粋な視点が表現された小説は、僕は今までで初めて読みました。ヘルマン・ヘッセも子どもと大人の対立について書いてありますけど、あれは子どもに対する抑圧の話で、純粋な考えとかっていうところはあまり関係ないですからね。

本当にひたすら厨二病な本ですが、皆さんもこんな時期あったんではないでしょうか?僕は厨二の時にこの本を読みたかったです。おやすみなさい。