うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

僕が年上女性にフラれた話

その瞬間、私の心は無であった。宇宙が出来る前、何一つ質量が存在しなかったと同じように。一つの宇宙が瞬時に縮小し、崩壊したのである。

 

僕はフラれた!

きっぱりとフラれた!

一昨日のことだったはずだ!

なんという衝撃だ!ヘミングウェイは家に帰って吐いた、ジャン・クリストフは酒に溺れた!

僕はどうだったか!?最初は無であった空間に新たなる宇宙が身体の中で急速に拡大し、夜には骨を、肉を、皮を引き裂こうとしていた!

そのエネルギーは心臓をけたましく打ち叩き、睡眠を許さなかった。涙は蒸発し、脳みそは感情の圧倒的な質量に壊され、文章を書くことを許さなかった。次の日も眠ってないのに元気だった。何でもできた。その夜急に冷静になり、瞼が落ち、今ブログを書いている・・・。

 

 

私は臆病者だった。ダメだなって思ったらやめる狡猾な人間である。だから、フラれたこともないし、真の恋愛を知らなかったのだ。

それは私の身体の中で起こり、自分の存在を変えた。ちょっとオシャレをして時計を買った、眼鏡を買った。相手にも積極的に話しかけた。仕事も出来るようになった。文豪にもなれぬのに、文豪のような性格をしていた私が、初めて普通に興味を持った瞬間である。

果たして、向こうからも少しずつ話しかけられるようになり、好意のようなものも寄せられるようになっていた。

しかし、私は臆病者だった。コロナを言い訳に食事に誘うことをしなかった。プライベートな話題をするための時間を作りにいかなかった。そして、ようやく先月食事に誘った時はいい反応があったのに、転勤が決まってしまった。

プライベートでほぼ会話がなかった以上、勝ち目がないことはわかっていた。しかし、もう自分を止められなかった。真の恋愛とは、かくも人を愚かにするものだ。

 

結果は最初に書いた通りである。元々、この恋愛をするにあたって、成就すればラッキー、ダメならブログのネタと思っていたのも今更思い出したので、今回の敗因について書いていく。

最も重要なことは年上と職場恋愛という2つのハードルにより、今回の恋愛は厳しいということだ。

第一にある程度の能力を示さねばならない。つまり歳の差があればあるほど恋愛をするための対等な位置になるまでの精神的な成長が必要となる。加えて職場恋愛であるならば、仕事においても相応の能力が必要になる。年下なら誤魔化せることでも、年上だとそうはいかないし、差が大きくなれば必要な努力も増える。ここまでは良かったと思う。実際他の職場の男性は仕事ができないまま、アプローチをして撃沈していた一方で私とはそれなりに和気藹々としていた。

第二に職場で仲が良くてもプライベートに持ち込む必要があることだ。大学までは公私に差はなく、仲良くなればそのままプライベートに直結した。しかしながら、職場はあくまでも公である。その好感度はプライベートに直結しないので更に努力が必要となる。例えば公の飲み会で何気なく話をするとかそういった類のこと。その証拠に怠った私が撃沈している。

以上より、この二段階を確実に踏む必要があるので、年上になればなるほど難しくなる。男女が逆になれば第一の壁がないので、ハードルは下がると思われる。

これが私の経験に基づく職場恋愛の考察である。私に続くものが同じ過ちを犯すことのないように祈っている。

以上だ。