うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

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無言で声の主の方に顔を向け、目は背けた。既にあのことを知っていて、スキャンダルを引き出そうとしている。そう思うと、意地でも話すものかという気持ちになって、失言を避ける為に口を塞いだ。
「昨日のトリビアみた?」
最初の一声を聞いて、気が抜けた。まだ伝わっていないらしい。
「見てない。」
昨日のことを思い出し、不快感を感じながら、正直に答えた。
「そうか。」
茂は訝しげに答えた。彼と無関係の負の感情が、言葉に乗りつつ、流れを断ち切るような短い返しが相手に疑惑の念を起こした。いや、もしかすると、それ以上聞けないことに苛立っているのだろうか?何気なく会話する素振りを見せながら、クラス中の全員が聞き耳を立てているのではないか?全身の緊張が帰ってきた。