うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

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最初の失恋は、人を変える。新次郎も例外ではない。見た夢は、毎日繰り返した光景だった。二人で話しながら、歩くだけの世界。事件は起こさない。恋心を浮かべて、機会を探っている。幻想は遠ざかるにつれて、今では形を変えて無意識の海から現れる。幸福な霧が晴れる時、過ぎ去った全てが、走馬灯になって頭に入っていく。後悔、絶望、虚しさ。あの日、全ての苦悩が一度に押し寄せる感覚を、初めて味わった。新たな人生が始まった。薬にも、毒にもなる痛烈などよめき。孤独を踏みしめながら、登校していた。