うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

読書感想文 ゲーテ「ファウスト」

どうも僕です キチガイみたいに本を読み続けています。
そんな僕が今日読んだのはゲーテの「ファウスト
あらすじ
主人公ファウストはいろんな学問を究め、世界の真理を理解したいという志をもった学者で、いろいろあって人生に絶望して自殺未遂までやっちゃうくらい厭世的な男だ。そんな彼が悪魔のメフィストフェレスに自分を若返らせ、言う事を聞かせる代わりに人生の最高の瞬間に立ち会って「とまれ、お前はいかにも美しい」と言ったら魂全部とられる契約をする。そこで、まず悪魔が連れて行ったのは酒場で、酔ってワイワイやったら人生最高じゃん!!!って誘惑するんだけど、まさかその程度で最高なんて思うはずもなくまずはファウストの勝ち。
 そのあと、魔女の家に連れて行かれて、若返りの薬を飲む。その家の鏡には究極の美女、グレートフェンがうつっていて一目ぼれする。これに目を付けたメフィストは結ばれるようにあれやこれや細工して、その結果、二人の仲を邪魔する母親をグレートフェンに殺させ、ついで彼女の兄をぶっ殺します。
 気晴らしに魔女の祭りに参加するファウスト。そこで彼女が死刑にされそうになっていることに気づく。というのも、彼女は既に彼とセックスしていてキリスト教では婚前交渉はNGなので罪、それに加えて生まれた子どもも殺してしまっていて、当然死刑ということなのである。
 そして、彼女を助けに行くファウストだったが、メフィストの影に気づいて救われることを断固拒否され、逃げられずに死亡。
第一部完。

第二部ではまず主人公が財政破綻寸前の国をメフィストの力を借りて助けるところが始まる。その間に祭で訳のわからん魔法大量に使ってたもんだから、皇帝がギリシア神話の人物パリスとヘレナを見たいとか訳の分からん要求をつきつけてきて、本当につれてくるんだけど、その時ヘレナの美しさに感動して、抱きしめようとしたところ彼女が爆発してファウスト失神。
 気絶したファウストが元々いた家に戻ってくる。メフィストは彼の弟子の研究者の作ったほムンクルスを手に入れてきて、彼の見ている夢を理解して、全員ギリシアに飛びます。
 そうしてなんだかんだあって、ヘレナと結婚するんだけど、できた子どもがキチガイで俺は最強だ!って言って勝手に崖から落ちて死亡。ついでにヘレナも昇天。
 そうしてもう一回皇帝の国に戻ってくると、無能な政策のおかげで大分裂。メフィストの力を借りて勝って領地を得る。その領地で自分の理想の国づくりを進める。そんな時いろいろあって目が見えなくなって実際に何が行われているかわからなくなった彼は、スコップで地面を掘る音を人々が努力して理想の土地を作り上げ、自由を手に入れようとしているのだろうと思って感動して「とまれ、お前はいかにも美しい」と言っちゃいます。ところがどっこい、このスコップの音はファウストの墓を掘っている音だったっていう悲しい感じです。何はともあれ、契約通り魂をとられる!というところで天使に救われます。なんとあのグレートフェンが助けるように説得してくれていたのです!愛って素晴らしいなァ!
終わり。

普通にファンタジーを読んでいる感覚だった。悪魔と契約する当たりとかワルプルギスの夜の辺りとかな。そんなわけで、「とまれ、お前はいかにも美しい」なんていうから普通に恋愛の話かと思ったら、その瞬間は世の為人の為っていう聖人君子的な終わり方をしてましたね。でもその裏で、土地を得るためにそこに住んでいるお爺さんぶっ殺したり、墓場掘られてたりと悪魔のエピソードが多い。グレートフェンとの物語だって軽く二人殺してたりとか、ファウストは自分の欲望が満たされるような経験をたくさんしているにも関わらず、その裏で普通に残酷な悪魔的なことが行われているのがとてもいい。最後の方で皇帝は力を貸して勝利したわけだけども、悪魔の力を借りた贖罪ということで領土の多くを教会に寄進したりして失いまくってたりする。
夢物語の中に対して必ず悪い対価が生まれている世界観がすごい^^
あと、ようやくで思いっきり端折ったけど、ギリシア神話の神だとかやたら幻想的で広い世界観があって、すごく奥行きがある。下手なラノベ読むくらいならこっち読んだ方がいい。あっちは20巻分の分量があっても、ファウスト全二巻に勝てないだろう。

まぁとにかく壮大な話だった。ただ割と難しいな。はっきり説明してくれないから、一文字一文字どういうことかちゃんと考え直して要約していくくらいの気持ちでいかないと、マジでただのつまらない詩になっちゃう。

終わり。