うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

34

朝日が徐々に影を包んでいき、自分以外は音を出すことがない広い教室に入り、電気のスイッチを押して、前から見て右側の中段くらいの程よい場所に座った。普段は数えることすらできない大量の人間が詰め込まれ、関連づけられ、音を出し、統一性のない認識によって、自分の手を離れて生きるこの場所が、今はその全てを失ってただ一人の男が生殺与奪の権利を持つ所有物となっている。この瞬間はトイレと教室は同じだった。しかし、自分以外の全てが存在せず、支配者である新次郎にもまだ敵がいる。思考である。またしても昨日の行為に対する後悔の念が浮かび、それを打ち消そうとすると、ますます存在を強くすることになり、反復させ、いつまでも居座り続けさせ、眠ろうとする彼に騒音を聞かせていた。思考をする力があるせいで、生きる人間にとって本当の意味での静寂はない。十分ほど経ったころ、その後悔は来たるべきと信じる未来の幻に変わった。注意深く眺めなければ境界線を見失ってしまうほど自然に赤く皮膚から赤く変色し、顔に合わせて他の人間に比べて小さいながらも、必要な肉の柔らかさと弾力をもった唇と自分のそれが接触する。全ての感覚を集中させ、感触と体温を味わいつつも最も近い距離で感じる肺から流れ出た空気、汗、彼女からあふれ出る全てが混ざった匂いを吸い込みながら、右手を流れ出る透き通った黒い髪の下に潜り込ませ、うなじをなでるように愛撫しつつ、左手は今にも折れてしまいそうな細い腰に回して抱きしめる。気づけば、新次郎は勃起していた。