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つまりそういうこと

読書感想文「それから」 夏目漱石だぞ

どうも僕です。
今回は夏目漱石の「それから」の感想文です。

まずは登場人物から
主人公は親のすねかじりのニートで、ついでに何もかもに無気力な男です。何もかもを中途半端で済ませてうまくかわしていく生き方をする男です。夏目漱石ってこころの「先生」もそうだけど、ニートよく出てくるよな。
武士の生き残りみたいな考えのお父さんと、普通のエリートサラリーマンのお兄さん、その嫁が家族にはいます。
そして交友関係としては、主人公の家で雑用をしている婆さんと、書生の門野、昔からの友人の平岡とその嫁三千代です。

次はあらすじ
序盤はひたすら主人公が、家族の皆様から結婚を勧められるも回避する様子が描かれています。この様子の中には日露戦争の話とか、当時の人間の考え方とか深い描写があるんですが、ストーリーの本筋が見えなくてイラついた。
夏目漱石の本って、伏線を散りばめながらの明治時代の文化描写パート(もしくは、夏目漱石自身の自分語りパート)と、一気に回収するパートに分かれてるんですよね。ただ、今回は俳句やってたせいか夏目漱石の風景描写の意味がよくわかって序盤のパートも少しは楽しめた。詰め込まれてるわホント、今何月ごろか立体的に季節感を感じられる。
などと言っている間に、この無気力な主人公が平岡の嫁、三千代に抱いていた恋心に悩まされ始めます。代助は三千代の事を愛していたのですが、友情をとって平岡に譲ったという過去があります。
人に譲っておいて、その四年後くらいに後悔が止まらなくなって、しかも三千代も平岡のことを愛していない。また、平岡も三千代のことを全然愛していない。こんな状況を代助が知って、平岡から奪うことを決意するわけです。
まず、三千代にそのことを打ち明けるのですが、三千代も代助のことを愛していて相思相愛だったのです。その一方で、代助の縁談はもう引くに引けないところまで進んでしまいます。もう三千代と暮らす未来しか考えられていないので、彼は断ります。
そして、平岡との対談。平岡は三千代のことを愛していないので、案外さっぱりと渡すことに同意します。ただ、代助とは絶交します。そして、そのことを平岡が代助の家族に知らせ、兄とお父さんからも縁を切られ、俺たちの戦いはこれからだ!という感じで終わります。


感想
まず、やっぱり社会のルールと人間の心のズレが表現されているところが心に来ました。代助はニートでどうしようもなかったんですが、それでも親の言うとおりに普通に結婚していれば、何事もなく生きられたのです。それでも、友人の妻を奪い取って社会的に抹殺される道を歩むことを決意します。人間の実際の心の中では正常な恋愛であっても、社会的には異常なこ
ととして見なされる。こうした悲しい現実が描かれているのだと思う。


次に、何に対してもやる気のない代助が全てをかなぐり捨ててやってやろう!という気力に充ち溢れているところが、どうも印象的でした。なんか初恋を思い出したわ。名誉リスナーしか知らないと思うけど、僕の初恋は最後の奮闘部分をカットした代助そのものなんですよ。
中学時代、その初恋の子とはいつかうまく収まるやろと先延ばしにして、高校になってその子に呼び出されまでしたのに、結局何一つ行動せずに終わったのが僕の初恋です。
どうも序盤の代助は僕に似ていて、悲しい気持ちになりました。まぁその結果といってはなんですが、やると決めたらすぐやる意味のない行動力が身についたけどな!
あ~あの時もっと代助みたいに行動しとけば俺の未来変わったのかもな~wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww泣けてきたwwwwwwwwwwwwww

じゃあな