うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

マキァヴェリ「君主論」

どうもこんばんは、僕です^^
今日はニッコロ・マキァヴェリの「君主論」について語ります。
この本はフランスに教皇に、スイスにスペインと外国にバラバラにされたイタリアの現状を見た彼が、イタリア統一を夢見て書いた本です。
統一するのは誰かというと、メディチ家を指しています。

さて、どんな君主がいいのか?
まず領土の拡大と新たな政府の建設に伴う問題について論じます。
領土に関しては、二つの場合があります。一つは言語が同じ場合、二つ目は言語が違う場合です。言語が同じ場合は、文化が同じなので元々の統治者の血筋を抹殺すればいいのです。後者の場合は、それに加えて移民を送り込むのが大事だと説いています。なぜかといえば、移民は占領地の監視に加え、移民に伴って元々の住民が家を追い出されるので、新たな領民たちは恐怖によって従わざるをえないからです。
次に兵士の話。
傭兵はゴミ、なぜなら金でしか動かないからやばいときは裏切る、逃げると散々。また優秀だと逆に殺される。
他国からの援軍もやっぱりゴミ。役には立つんだけど、勝った後間違いなく隷属国になる。
人の支持の集め方。
まずは民衆を味方につけること。防衛戦になったとき、民衆が反旗を翻したら死ぬからです。また、支持を集めれば君主本人の軍隊を強化することができます。
また、江戸幕府みたいな感じで有力者の中で選ばれるパターンがあるのですが、そうすると何かあると有力者が自分の政権を奪ってくる可能性があります。ここで、役に立つのが民衆。民衆の支持を得ている人間に謀反を起こせば、次の国王にはなりづらい。だから、余計に民衆にこびていく姿勢が大事だというのです。

最後は君主の資質について。
善良な国王はゴミ。例えば、恩賞を与えまくる君主。すごくいいやつに見えるんだけど、マキァヴェリに言わせれば、どんだけプレゼントあげたって、やばくなったらすぐ裏切るから意味ない。しかも、恩賞与えすぎて財政がひどくなって民衆を圧迫することになって、結局糞野郎という評価を受ける。
また、冷酷でなければならない。誰かが悪いことをしたときに、キリスト並に罪を許してしまう人間は善人ではあるのだけど、最終的には糞野郎という評価を受ける。
このように、君主は善人であるほうがもっと悪い結果に陥るので、悪いと思うことも時には手を染められる人間こそが君主にふさわしいのである。
しかし、そうはいっても外から見て露骨にケチで残酷な人間だと思われるとそれはそれで困る。なので、平時はものすごい人格者のように上手く振る舞えともいっている。
これがよく言われる「ライオンのような勇猛さとのような狡猾さ」を備えた君主である。
時には悪に手を染めるが、それをうまく隠すことが君主の重要な資質なのである。


そして、最後は運命の女神フォルトゥナの話。上の君主でやるべきことを実践したとしても、この運命が味方しないと意味がないわけ。政治状況はいろいろ変わっていくわけなんだけど、その都度必要な政治の仕方がある。
乱れた時代には勇猛果敢な人間とか、平和な時代には慎重な人間とか、時に恵まれた人間こそが名君となりうる資質をもっているわけ。また、その運命の変化をできるだけ予測して予防するのが大事とも書いてある。
最後に助言について。部下の助言は自分が求めた時以外は、聞かないようにするのがいい。なぜなら、部下の助言ばかり聞くと情けない王になるし、聞かないとそれはそれで信頼されてないんだなって拗ねちゃうから。

とにかく一貫して出てくるのは、自分の軍をもって他人に頼らないということが君主の一番の仕事だということ。時には人情を捨てて、悪に手を染めることも視野に入れること。
これが君主なんです。
終わり。