うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

ミスをしまくった話

今日、ミスをした。昨日もミスをした。一昨日もミスをした。毎日同じお客さんのところでミスをして、上司と謝りに行っている。
 新人には荷が重すぎる。ほとんど何も教えられていない人間が、急に十枚近くの伝票を受け付けるのだ。オーダーは社長の口から矢継ぎ早にでてくるため、理解が追いつかない。一つ一つの伝票について、どこをどうすれば正しいのか?何がわからないのかすらわからない状態で訪問して処理するのである。要するに、力量とこなすべき仕事が見合っていないのだ。
 さらに心苦しいのは、社長自身は非常にいい人だということだ。
 今日も「毎年、毎年新人送りつけられてこっちも複雑やし・・・」と、疲れた表情で、上司に言っていた。ピンと来ない人の為に説明しておこう。外回りではお客さん毎に担当が割り振られるのだが、例えばこの社長の場合、必ず新人が訪問するお客さんなのである。
 つまり、この人は毎年赤子のような新人に不備を出され、そのたびに銀行に苦情を出しており、満身創痍なのだ。苦情を言うだけで疲れ果てているのだ。今回、僕に対して怒りをぶつけることすらなかった。何年も相手にしているだけあって、この状況を引き起こしたのが銀行そのものだという事を知っているからだ。
 なんという失礼なことだろうか?毎年毎年新人送りつけられる気持ちになってみれば、この酷さがわかるだろう。挙句の果てに行内では、あの人は癖が強いなどと腫れ物扱い。善人は報われないのだろうか。お客様本位だのサービス業だの口ばかりである。
 そんな板挟みの社会で僕は、車の中で「紅」を歌いながら、外を回り続ける。