うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

その女の黒い髪は背中まで真っ直ぐかかっている。髪が流れるように揺れたとき、黒く大きな瞳と自然に浮き上がった鼻、そして小さな唇が見えた。身長は日本人の平均より少し高いくらいで、細く長い足から背中にかけての美しいラインが心を奮い立たせる。姿勢や仕草の美しさから育ちの良さが伺える。新次郎はこの女との境遇を考えてみた。実は昔、幼馴染で両思いであったが女が引っ越してしまう。約20年ぶりの再会に向こうが気づいて声をかけてきて話をしてみると、大学も同じであることがわかり意気投合し、過去の想いを互いに告げて付き合い始める。または、友達の紹介でこの女に会う。飲みに誘われてふらふらしているうちに向こうから誘われ、そのまま結ばれる。
もちろん、ただの妄想だと本人もわかっている。20歳を過ぎてくだらないと思っていても、こうして考えてしまうのは男の性だ。他にも自分がナンパして始まる話だとか、1000年前の貴族と平民の生まれ変わりの恋だとかいろいろ考えた。自分のことが恥ずかしくなってきたところで、突然女がこちらに近づいてきた。