うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

手帳

お題「手帳」 

 私の手帳にはいろんなことが書いてあるの。予定はあまり書いてないんだ。じゃあ、何が書いてあるかって?今日あったことを書いているの。日記でいいと思うじゃない?でも、日記じゃダメ。日記にすると全部思ったことも書くじゃない?でも無理なの。今日、友達と何があったとか、好きな人と何したとか、全部に感想を書いてたら、夜も眠れないわ。だから、出来事だけとりあえず並べておくの。わかった?

 何?手帳の中身を見せてほしい?うーん・・・。女の子の手帳の中身を見たいだなんて、あなた失礼じゃない?そうよ!おかしいじゃない!これは秘密なのよ。見せられないの・・・・。

 え、ちょっとだけ見せてほしい?全部とは言わない?知らないわそんなの。ダメなものはダメなの。出来事並べてるだけでも、これは私だけの秘密。あなたにだってそういう秘密はあるでしょ?ないなんて言わせないわよ。私にその秘密を打ち明けられるっていうなら、手帳の中身を見せてあげてもいいわ。え?何?秘密を教えるって嘘でしょ?耳を貸せって・・・。

 えぇぇぇっっ!?あなたメアリーのことが好きなの!???あ、ごめんなさい・・・。思わず大声で言っちゃったわ。でも周りには誰もいないから、許してちょうだい。そうよね、メアリーはいい子よね。私の親友だもの。手帳にもよく遊んだことを書いたりするもの。

 せっかく秘密を打ち明けてくれて申し訳ないんだけど、やっぱり見せられないわ。だってメアリーのことが好きなんでしょ?手帳にはメアリーのことも書いてあるから無理ね。そうでしょ?そういうことはメアリーに直接聞きなさいよ。あなた男でしょ?直接ね、ほら!間くらい取り持ってあげるから!!

 メアリーと私の出会いを知りたいって?そんなこと聞いてどうするのよ。参考にするのね、まぁそれくらいなら仕方ないか・・・。

 私とメアリーが出会ったのは小学3年の時ね、クラスが一緒だったの。私とメアリーは席が近かったから、勝手に仲良くなったわ。もちろんそんなことは他の子でもよくあることだけど、あの子とは波長が合っちゃったのね。服の趣味も、性格も似てるもの。一緒にいて落ち着くの。だから、気が付いてたら仲良くなってたわ。ごめんね、大した話じゃなくて。

 大した話じゃなかったらやっぱり手帳を見せてほしいなんて、無茶言わないで。ダメなものはダメなのよ。どうしてそんなに見たいのよ。私の手帳に興味持つ暇があったら、メアリーと話してきなさいよ。だってそうでしょ?時間の無駄よ。

 くだらないことに拘ってるわけじゃないの。大事なものなのよ。読むだけでいろんな気持ちがわかっちゃうもの。誰しも大事にしたい自分だけの気持ちってあるでしょ?手帳にはそれが詰まっているのよ。宝物なの。だから、本当に心を許した人しか見せられないわ。あら、そんな残念そうな顔したって無駄よ。見せられないものは見せられないの。じゃあね、また明日会いましょう。今度はメアリーもつれてきてあげるわ。

 ・・・えっ!?今なんていったの!?本当は私のことが好き!?さっきまで散々メアリーの話してたじゃない、嘘はついちゃだめよ。そうよ、それはいけないわ。

 手帳の中身を知りたかったのは、私がどう思ってるか知りたかったなんて、今更言ってもダメよ。そんな嘘までついて手帳の中身みたいの?びっくりだわ。からかうなんてひどいわ。メアリーより私のことが好きだなんて、おかしな話じゃない。あの子の方が私なんかより明るくて可愛いじゃない。嘘はいけないわ。

 ・・・!?そんなに何回も私のこと好きって言わないで、嘘でも照れちゃうわ・・・。

 ・・・本当なの?今日告白しようとしたけど、恥ずかしくて最初メアリーのこと好きだって言ったって本当なの?・・・その顔は本当のようね・・・。顔真っ赤じゃない。私も熱いわ。ほっぺたが溶けちゃいそう。本当は私もあなたのことが好きなの。手帳にはあなたのことが書いてあるの。書きすぎて恥ずかしくて見せられなかったの。さっきメアリーのことが好きっていった時は、すぐにでも帰りたかったわ。帰って手帳に悲しい気持ちを綴る予定だったの。

 でも、今日は帰ったらもっといいことが書けるわ。あなたが私のことを好きで、私もあなたが好きだってわかったって。その・・・、なんていうのかしら・・・。これからもよろしくお願いします。

 今度は一緒に手帳書きましょうね。

  

 終わり。