うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

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あと一年半、中途半端な関係はいつまで続くのだろう。はっきりさせなければならない。
 一度始まれば、会話は何も考えなくても勝手に続いた。最初の苦悩はなんだったんだ。気づけば、チケットを買って、エレベーターに乗っていた。中は光が抑えられていおり、四方の壁を彩る隅田川をイメージしたという映像に、幻想的な印象を与えている。静かな輝きに包まれる彼女の透き通った顔には、一瞬しかない今の儚さを感じさせる。展望台に上りきるまで50秒。一生に一度の光景とはいえ、写真にしてしまえば、何も残らなくなってしまうだろう。一年半も一瞬かもしれない。
 太陽の光が世界を断ち切る。
「とうとう着いたね」
 その表情からは、既に儚さは消えている。
「うん」