うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

「名人伝」読書感想文

今回は山月記の作者中島敦の作品について書くぞ!

名人伝」は天下一の弓の名人を目指した男の話。
前半では、常に瞬きをしない訓練をして、寝る時も開けたままとかいう魚のような人間になり、毎日ノミを見続けて、人間が巨大な壁に見えるくらい視覚が研ぎ澄まされ、ついに師匠に戦いを挑んで引き分けになる。たびたび命を狙われてはかなわんという事で師匠が弓の仙人に会えと山に行くことを勧める。
その老人に弓なしで鳥を落とすとかいう不討の討とかいう超かっこいい技を見せられて、師事して、何年かたって町に戻ると、あの師匠が「ついにやったか!」と主人公をほめたたえる。

そのあと一度も主人公は弓を触らないんだけど、彼の家に入ろうとした盗人がすぐ殺気を感じて逃げたとか、家から騒音がするのは実は彼の精神が具現化して暴れまわってるとかそういう訳のわからん噂をどんどん立てられていく。最終的には弓を見せられても弓だとわからなかったことから、世の中のいろんな分野で名人を目指してる人が自分の道具を捨てる事態に発展する。

まぁこの作品はたぶん、人が勘違いするともう止まらなくなるってことだと思う。夏目漱石アンドレア・デル・サルトとか、ワンパンマンのキングとか、裸の王様とかああいう感じのネタだと思う
ニヤニヤしながら読めたわ