うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

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空腹が新次郎を陰鬱な世界へと引きずり出す。窓から差す朝日が心を照らして、暗雲を取り除くなどということはない。太陽は眩しく不快である。夏だというのに全身が寒い。太陽が冷えたわけではない。三日間、彼は熱を生み出せるほど何かを吸収していないだけだ。心臓と脳を動かし続ける最低限の燃料しか補給できず、植物人間のように息だけしている。いや、彼らは意識が戻れば息以外のことができるから、意識がありながら置かれたこの境遇はなお悪い。立ち上がるだけでも精一杯である。