うひょーくんのブロマガ

つまりそういうこと

高級中華を食べる

 その瞬間は唐突にやってきた。

  ラインで友人に「どっか食べにいこうぜ」と誘うと「じゃあ馬喰一代行こうか」と返信が来た。

 僕は焼肉を食べる気分ではなかったので、「浜木綿にしようぜ」と提案したのだが、代わり映えのない六千円のコースは食べ飽きていることに気づき、「やっぱ開化亭にしよう」と何も考えずに提案した。

 すると何故か友人が「ええよ」と返信してきた。思えば当時の

我々はストレスで頭が混乱していた。
岐阜にいない人たちに説明しよう。

 「馬喰一代」は焼肉屋なのだが、牛角のような店ではない。真面目にお腹一杯食べようと思うと普通に1万は超えてしまう、叙々苑クラスの焼き肉屋である。

 「浜木綿」とは東海地方にある中華料理屋である。王将は千円程度だが、浜木綿だとコースで一人6000円。中華料理の中では安い方だが、それでも高い。

 そんな中、この「開化亭」は恐らく岐阜で一番の中華料理屋である。コースが最低でも16,500円もする恐ろしい店である。「浜木綿」がファミレス程度の店に見えてくる。

 過去に新橋の「末げん」に行った僕としては、いつか行きたいなと思っていたが、実家が永田町の高層マンションみたいな金持ちの友人は岐阜にいないので、一生行くことはないだろうとも思っていた。

 ところが、ストレスに悩まされる27歳の二人は何故かそこで税込3万円のコースを食べにいこうとなったのである。

 「末げん」の時もそうだが、身分の違う店を予約するときは震えるものである。

 ダイヤルする震える指。そしてつながる電話。「あ、あのここって電話でも予約できるのでしょうか?」と、どもりながらよくわからない確認をした上でなんとか予約し、食べに行くこととなった。

 店の入り口に行くと、店員さんがドアを開けてくれた。さすが高級店である。カウンター席に通され、シェフが接客をしてくれた。

 最初にシェフに「本日のスペシャリテキャビアの冷製ビーフンですが、スターレットベルーガどっちがよろしいですか?」と尋ねられた。

 スターレットベルーガ?????????何を聞いているんだ?たぶんキャビアのことだというのはわかる。しかしその違いはなんなのだ?一切わからなかったが、表情に出すことなく、笑顔でスターレットキャビアをチョイス。

 2番目に出てきたのが、そのキャビアの冷製ビーフンであった。↓これ

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 果たしてこの上に乗っているのがスターレットキャビアというものらしい。なるほど・・・。下はビーフンというより、春雨・・・?などと一通り観察をし終えたあとに、いざ実食。

 僕が完全に素人だと既に見破られており、店員に「これは混ぜて食べるんです」と説明されてしまったので、しっかり混ぜて食べました。

 味は完全に焼きビーフン。でもキャビアのプチプチ感と「冷製ビーフン」というだけあって、麺が冷たくさっぱりしている。そんな味。なるほどなぁ・・・美味しいなぁ・・・と思って、そこでようやく気付いた。

 なんで春雨の上にキャビアが乗っているだけにしか見えないのに、焼きビーフンだと感じたんだ?通常、麺とキャビアを混ぜたらただのしょっぱい冷たい麺になるのでは?でも「焼きビーフン」の味がしたのは???

 そう思ってビーフンとキャビアだけで食べてみると、ビーフンに味はない。キャビアに何かの工夫がしてあるようだった。しかも「焼き」が感じられるような焦げの風味がしっかりとする何かがしてあった。

 何かの本で読んだことがある。中華料理の本質とは「焦げ」であると。それは食感として使われることもあれば、風味として使われることもある。チャーハンなどはいい例で、炒める中で本来であればもちもちの米の表面を焦がすことで味を変えているなとなど・・・。

 思えば「スペシャリテ」とはその店の顔となる料理である。更に考え直してみると中華料理店の顔がキャビアってなんだ?という疑問に至る。だってキャビアって中華じゃないじゃんwwwwwwwwwwwww

 だがしかし、実際に食べると完全にさっぱりとした焼きビーフンで、中華料理なのである。もしかしてこの店は一見中華でないものを組み合わせて中華料理に仕上げているのでは???などと深読みまでさせる逸品でありました。まぁとにかく美味いもんは美味かった。下手な理屈抜きに美味かったんだなぁ・・・。

 あとは↓みたいなフカヒレ。これも程よく表面を焦がしてあってあんかけとの相性が抜群。あんかけと焦げのざらざらとフカヒレの食感が混ざり、また上の方に置いてあるアスパラガスと合わせるとすごく食感がよかった。

 安い店のフカヒレってのはマジで調理もほぼせずに、ただ突っ込んであるだけの場合が多い。それに比べて、ただフカヒレといっても調理を丁寧にすることで更に美味しくなるのだと学んだ。

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 ↓これは本体が何かを忘れてしまったが、手前は黒いソースのみ(これも焦げの香りが口の中に広がる)で、後ろの塊は抹茶かなんかのソースと黒いソースが絡まっている。よって、手前を食べた後に奥を食べると一気に風味が変わる。最初は焦げがついているので、若干焼き鳥のような居酒屋感があるのだが、緑色のソースと合わせただけですごく上品な味に変化して感動したのを覚えている。ソースに感動しすぎてかかっている食材が何かを忘れてしまう逸品であった。

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 他にも色々紹介したいのだが、もう疲れたので止めます。

 特にこの3品が美味しかったのは覚えている。他にも美味しいものがたくさんあり、3万円の価値は間違いなくあったと思う。

 和食と中華は極めたと思うので、次は洋を極めてきてブログにします。彼女でも作って一緒にいってきますね^^^