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つまりそういうこと

読書感想文 新渡戸稲造「武士道」後編(要約)

 どうも僕です。後編です。昨日は武士道を為す要素について述べました。

「誠」は言い損ねたことがありましてね、日本人にとっての誠実さっていうのは「僕は誠実です!」って大袈裟に騒いだりすることなく、ひたむきに内に隠して精進するっていう意味での誠実さなんですね。

 てことで続き。

 ここからは武士道が具体的にどういう行動をしてきたか、について語ります。

 武士の品性とは?博識ということではないのです。客観的事実をたくさん知っていることは問題ではないのです。

 じゃあ何を身につけるのか?儒学によって道徳を身につけたり、文学によって優雅さを身につけます。儒学は説明不要ですね、文学は辞世の句だったり、戦いの最中に歌の上手い返しをすると、すげえ人間性だぁ!殺すのは惜しい!って感じで命を見逃してもらえたりしました。

 他にも当然剣術や槍術、柔術があります。この柔術ってのが大事で、体のどこを抑えれば人が倒れるか、どういう仕組みで人が立っているのか、解剖せずに人体の仕組みを学んでいたんですね。もちろん、それが目的として示されるのは誠実さにかけるので、隠されてきましたが。

 そしてもう一つ、武士の品性といえば、損得勘定抜きってことですね。品性ってのは金のためにやるんじゃないですよ、自分を高めるためにやるんですよ。

 

 さて、次人に勝ち、己に打ち勝つために何をしたか?というやつです。まぁ単純に感情出す奴はださい!ってことですね。戦争に息子を送り出す親がばんざーいwwって言いまくったのはある意味武士道なんですよ。公の場で泣いて送り出したらそれは恥なんですよね。

 

 「切腹」野蛮な習慣ではなく、儀礼的な整然としたものだって言ってますね。処刑とは違うんですわ。あくまでもかっこよく死ぬってのが大事なんです

 だから、貧乏すぎて腹減って辛いからハラキリとか舐めたことはできない。そういう時は我慢しろってなります。

 逆にハラキリすべき時ってのは、親の仇、主君の仇討ちとか忠義の時ですね。その時はいかに平静を保って、感情を出さないか?というところがポイントだったり、後ろ向きに倒れるとダサいから、前に倒れるように袖を膝で抑えるとかやるんですよね。

 

 次は「刀」。まぁハラキリがこんなに神聖な儀式なんだから、そりゃ刀って大事だよね。刀鍛冶という行為自体も宗教的な厳しさがあるし、置いてある刀を跨いだら無礼千万ってことですね。

 

 はい次。女性の理想像。

 武士道ってのはそもそも男の道徳なんですよね。だけど、女性にも男性らしさを求めるのが武士道なんですね。女城主直虎が薙刀もって城を守ったりするあの逸話が残るのはまさに武士道ですわ。

 そしてこの女性ってのは、男の武士が国の主君に大して忠誠を誓うように、家の夫に対して忠誠を誓うんですね。だから懐刀を持っていて、レイプされそうになるとすぐ自殺するハラキリに似たことをします。

 男は外で、女は家で、というとまるで男尊女卑のように見えるけども、稲造に言わせれば、元々性差があるんだからそういうもんだろ、ということらしい。その根拠として、女性は家では全てのことを取り仕切っていて、実際の権力者なんですよね。

 また奥さんのことを愚妻などというけども、これは自分のことのように思っているから謙譲表現が使われるってことも述べてます。

 

 「大和魂

 武士道ってのが大衆の理想になったという話と、サクラが人気な理由について述べてます。なんでサクラが人気かというと、春にさっと咲いて、さっと散るその様子が誠実さを連想させるからだそうだ。

 

 最後武士道は甦るか?武士道の遺産から何を学ぶか?の二章。

 この本書かれたの明治時代なんですよ。急速な近代化で武士道って消えてる最中だったんですわ。それで、こんな二章が書かれてるんですね。

 稲造は日本が急速発展した理由を「名誉」にあると考えています。実利的に生活が豊かになるとか便利になれば、とかいう理由ではなく、欧米に馬鹿にされたままじゃ恥ずかしい、舐めんじゃねえぞっていう心意気が急速に日本を発展させたというのです。

 誰のための名誉かってのが大事で、主君のため、国のためなんですよね。だから、稲造は日本人ほど愛国心の強い国民はいないと言います。

 そしてものすごく愛国的で、人の言葉や態度に繊細な国民性が生まれた、というのです。こんな武士道は、名前が消えた後でも何かしらの形で残るだろう、と締めて終わります。

 

次回は感想いきます。